経営者のひとりごと

ブラック顧客を持つ会社も、ブラック企業である

「お客様は神様です。」

もはや風化してしまった言葉ですが、本当に“神様”なのであれば、たとえ神様(お客様)にトラブルがあっても、大地のように雄大な心で許してくれよ・・・と多くの方が思ったことでしょう。

実際、お客様はサービスを提供する側・される側の存在であり、対価によって成り立つ「対等な存在」です。

しかし、世間には価値観のおかしな人達もいます。

いわゆるブラック顧客

勘違いをしやすく理不尽な要求に対し何とも思わない。考えるより先に手が出るラオウようなタイプです。

そんなブラック顧客と付き合ってしまうと、会社側は必ずと言っていいほど副作用が出ます。

ブラック顧客の副作用
  • 話をきちんと聞かないので、勘違いが多く、無駄な対応が増える
  • 無駄が多い分、物理的なリソース不足になり、残業が増える
  • やり取りのベースが“対応”なので、スタッフのモチベーションが低下する

これ。
どの業界にでも当てはまる、あるあるネタではないでしょうか。

個人的に、以下3点はブラック顧客の危険信号と考えています。

① 営業時間外での連絡も平気

会社の営業時間外(もちろん土日)でも平気で連絡してくる人いませんか?お詫びもなく。

いかなる事情があろうとも相手に残業や休日出勤命令は出せません。例えそれがミスであったとしても「“間違いを犯したスタッフの責任だから土日も働け”と言う会社」をどう思いますか?

大切なのは、そうなった場合でも互いに責任を補い合える関係を築くことです。(当然ですが、黙認し合うのは最悪です)

② 即日対応を要求してくる

①と近い意味合いですが、即日対応が必要なケースには組織の力関係が大きく作用します。多くの場合は納期に左右されますが「担当者のスケジュールミス」「上長への提出期限に間に合わないから」などの理由も稀にあります。

こうなってしまうと、どこからどこまでが本音なのか分からなくなり、ひとつのプロジェクトを成功させる気なんて無くなってしまいます。

③ 自分たちは素人、あなた達はプロ

意外と怖いのがこれ。便利な言葉ですが、後出しじゃんけんに近い必殺技です。

事前の見積もり段階で、予め説明をしていたにも関わらず、「自分たちは素人。今回は“プロである”あなた達にお任せしている。」「これでは高いお金を払ってお願いしている意味がない。」「プロであればより良くなる提案をすべきだ。」と、責任の所在を追求してきます。

これらのいつまでも無くならない理不尽に対して思うのです。

こんな話があります。

かつて吉田茂元総理が「一流と言われる某ホテル」を訪れたときの話です。

吉田総理はホテルのトイレで手を洗ったあと、なんと洗面台のまわりにはねた水を自分のハンカチで拭こうとされたそうです。それを目にしたホテルの従業員は、慌ててトイレの清掃担当者を呼ぼうとしました。

すると、吉田総理がこんなふうに仰ったといいます。

「洗面台の水はねを拭くために、いちいち担当者を呼んでいては仕事にならないでしょう。一流ホテルが一流である証は、従業員の手によって、トイレがいつもきれいであることではありませんよ。
手を洗ったあとに、洗面台を自分で拭くのが当たり前だと思うお客様が常連であることが、本当の一流ホテルの証なのではないでしょうか」

引用:吉田茂はなぜ、一流ホテルの洗面台を自分で拭いたのか?

つまり、そもそもの目線が違うわけです。

ブラック顧客が存在するのは、サービスを受ける側の問題でもあるが、それよりも与える側の問題。ブラック顧客を持ってしまう体質そのものが、結果として組織そのものをブラック企業の体質に近づけているということ。

つまりは「類は友を呼ぶ」論です。

だからこそ、組織全体が一致団結して遂行する必要があるのです。

相手ばかりを見ず、自分の足元を見つめ直す。

ほとんどの方が、頭でも身体でも分かっていることだと思います。

あなたの会社が相当のブラック企業でない限り、ブラックな顧客が続々と創出されることはありません。

プロジェクトの進行中に回避できることは多く、見直すべき点も多いでしょう。ブラック顧客を呼び寄せているのは、もしかすると自分たちかも知れません。

あなたの嫌いなブラック企業は、意外に身近なところにあるのかもしれません。・・・と、灯台下暗しの意識を持つことが大切なことではないかと考えています。

ここ最近、朝礼や会議時にこの辺りのネタを共有しているので、今回あえて記事にしてみました。

Takanobu Maruyama